大塚化学株式会社様
化学製品の収率最大化をIoTデータ分析で支援
対象製品の最大収率95%の可能性を示唆
本社 | 大阪市中央区大手通3丁目2番27号 |
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設立 | 1950年(1921年創業) |
事業内容 | 化学品の製造、販売 |
URL | https://www.otsukac.co.jp/ |
背景
プラントの予測収率をシミュレーション
創造的技術で顧客に貢献を理念とし、世界に通用する独自の技術でグローバル市場を目指した製品の研究開発を行っている大塚化学株式会社(以下大塚化学)。
化学製品の製造現場には多くの技術者が在籍しているが、最大の生産性(収率)を実現するための、最適なプラント制御パラメータの組み合わせは無数にあり、人手で探すことに多大な時間が掛かっていた。またラボでの実験結果をプラント実機に適用しても結果が再現できるとは限らないため、プラント実機をシミュレーションできる機械学習モデルでパラメータの変更が及ぼす影響の検証を実施することで収率の向上を図った。
分析
収率に寄与するパラメータを見つけ出し、最適なパラメータのチューニングを目指す
機能性化学品の生産性(収率)向上のため、プラント実機データの分析を実施。
収率へ寄与するパラメーターの組み合わせや、パラメーターの管理方向性の示唆を得ることを目的とした。
プラント実機のセンサーデータを時系列に可視化し、外れ値や欠損値などの傾向を確認した上で使用するデータを選定し、機械学習モデルを作成することで、収率に寄与するパラメーターとその値の範囲の特定を実施した。
効果
過去データ平均値よりも最大5%高い値となる95%の収率を確認
機械学習モデルを使用することで、収率に影響を及ぼすパラメーター分析を行い、一定の示唆を得た。
- 過去データ平均値よりも3~5%高い収率となるパラメータ範囲の特定
- 最も収率に影響するパラメーターの特定
- 最重要パラメーターを変動させた場合に収率がどのように変動するか、シミュレーションの実施
- 最重要パラメーターが最適な値を取る場合に最も収率が向上する他パラメーターの条件確認
- 収率への影響が低いパラメーターを特定
得られた示唆をラボの実験プラントで実験した結果、同様の結果が得られため、現在は実際のプラントへ応用を進めている段階である。
今後は収率への複数パラメーターの最適な範囲の確認や、複数の目的変数の同時最適化へチャレンジを予定している。
お客様の声
大塚化学株式会社 IT企画部 MI推進室 室長 大薗 慎二 様 |
今回のプロジェクトにおいては、弊社に蓄積された現場知識や勘をデータ解析結果と上手く融合していただき、その結果として、膨大な製造実機データから多数の知見や新たな仮説を得る事が出来たと感じています。
得られた有益な情報に基づき、製造実機での実証を進め、自社製品の価値向上に努めたいと思います。
澪標アナリティクス担当者から
澪標アナリティクス株式会社 コンサルティング本部 データサイエンスチーム シニアアナリスト 川島 光皓 | 澪標アナリティクス株式会社 コンサルティング本部 データサイエンスチーム シニアアナリスト 嫁兼 恭輔 |
本プロジェクトにおいては、データに関する疑問へのご回答はもとより、分析結果に対しても随時フィードバックをいただいたことで、無駄なくシミュレーション・改善提案につなげることができました。
今回の分析結果が生産効率向上の一助となれば幸いです。
今後も、データによる客観的な分析を基軸に、業務改善のお手伝いをできればと考えております。(川島)
生産部門の技術者の方々の幾多の取り組みより、工程の収率改善がかなり進んでいる状況でしたが、あと一押しが必要とのことでお声がけいただきました。
分析過程で生じるデータに対するさまざまな疑問に、生産技術部門と分析部門の方々からタイムリーなサポートを得られたことが今回のプロジェクトの成功のカギだった思います。
本プロジェクトでお客様の製造工程の改善にお役に立てたことを大変うれしく思っています。(嫁兼)